川崎市の葬儀協定

川崎市の葬儀に関わる制度には、「市民葬儀」のほか、「葬儀協定」(正式名称は「葬儀における消費者トラブルの防止に関する協定」)があります。この葬儀協定は、全国初の制度なので、市民葬儀ほどには認知されていませんが、葬儀社選びをするための方法としては有効です。川崎市行政と葬儀協定を締結している団体は3団体ですが、当センターはそのうちの一つです。この協定により当センターは、1消費者(川崎市民)に対する葬儀の相談窓口の設置、2賛同葬儀社に対する指導、3賛同葬儀社の施行に対する検査を行います。

「市民が葬儀内容を精査し、納得して契約できる」

川崎市の葬儀に関わる制度には、「市民葬儀」と消費者支援協定に基づく「葬儀協定」(正式名称は「葬儀における消費者トラブルの防止に関する協定」)があります。 市民葬儀制度は、昭和47年からある制度なので、市民の方には、なじみが深いかもしれません。一方、葬儀協定制度は、平成20年に制度化されたものなので、まだまだ認知度は低いようです。 しかし、この制度は、川崎市が全国で初めて制度化させたもので、他の自治体ではあまり例がありません。平成20年8月1日号の「市政だより」で以下のように同制度を紹介しています。

市政だより 葬儀でのトラブルが全国的に増加しています。市では、市民が信頼できる業者を選択し、安心して契約ができるよう、市内の葬儀関連事業者団体と「葬儀における消費者トラブルの防止に関する協定」を、全国で初めて締結しました。 (平成20年8月1日号より。2ページ目の中段記載、PDFファイル)

葬儀協定とは

葬儀協定は、「川崎市消費者の利益の擁護及び増進に関する条例」に基づいた制度です。内容は、下記でご覧いただけますが、名前の通り、消費者の利益の擁護及び増進を目的としています。 川崎市消費者の利益の擁護及び増進に関する条例(PDFファイル)

この条例に基づく協定なので、条例の目的を葬儀版に落とし込んだのが協定の目的になっています。

第1条 この協定は、消費者の自立の支援及び良心的な経営に努める事業者の振興を図るため、乙が事業者に対し、消費者にとって明確かつ公正な契約の締結等に努させることなどにより、葬儀における消費者トラブル(以下「消費者トラブル」という。)の防止を図ることを目的とする。 協定書全文/解説付き(外部リンク)

平たく言えば、乙(あさがお葬儀社紹介センター)が、事業者(賛同葬儀社)と消費者(川崎市民)の間に入って、トラブルにならないように葬儀社をチェックしてくださいね、というような感じでしょうか。消費者(川崎市民)の側から見ますと、当センターを通して、納得して葬儀社を選択できるということになります。
協定ですので、川崎市と当センターとの間で協定書を交わしています。 川崎市と葬儀協定を締結している団体は3つだけです。
実際に交わした協定書(別窓)
市のホームページでの案内(外部リンク)

協定締結式の模様

川崎市役所にて葬儀協定締結式
  • 平成22年12月1日、川崎市役所にて
  • 右・伊藤和良/経済労働局産業政策部長
  • 左・有賀知道/NPO法人マイエリア理事長

ただ、川崎市と協定を結んでいるからと言って、われわれの活動領域すべてが協定の対象になっているということではありません。主にトラブル防止という目的に照らし合わせたことがらということになります。具体的には以下のようなことが、当センターに課せられた役割になっています(協定書の第2条)。

  1. 相談窓口の設置 葬儀に関する相談窓口を設置し、お葬式の相談や見積、葬儀業者とのトラブルなど、葬儀前、葬儀後のご相談を無料で受け付けます。
  2. 指導 賛同葬儀社に対し、以下のことを指導します。
    ・葬儀の契約をするにあたり、不適正な勧誘を行わない。
    ・見積書や契約書を葬儀開催前に消費者へ必ず提示する。
    ・葬儀を最後まで責任を持って行う。
    ・葬儀は途中変更のないように計画する。
    ・葬儀請負契約は書面で行う。
    ・葬儀が終わった後、葬儀内容を確認した旨の書面に消費者の署名押印をもらう。
  3. 検査 賛同葬儀社が葬儀を行った際、消費者へのアンケート調査などを行い、サービスについて問題点がないかどうかの確認をします。

われわれのスタンスとすれば、トラブル防止はあくまで最低限のラインで、より積極的に一歩進めて、より相談者に満足いただけるような活動にしていきたいと思っています。そのための仕組みも独自に作っています(詳しくは、紹介とチェック確認)。また、それらを反映させるために作った「あさがお協定」を川崎市内の葬儀社さんとの間で結んでいます。→ あさがお協定

よい葬儀社を紹介してくれてありがとう、おかげで、よい葬儀ができた”という言葉を今以上にたくさんいただけるように努めていきます。

最後になりますが、葬儀協定の行政側の担当は、消費者行政センターですが、市の中の組織上の位置づけは経済労働局産業政策部の一部門になります。ちなみに、川崎市の葬儀に関わるもう一つの制度の「市民葬儀」は健康福祉局保健医療部健康増進課が担っています。
ただ、これらのことは消費者(川崎市民)には直接関係ありません。関係があるのは消費者に何をもたらすかといことでしょう。市民葬儀は「低価格の規格料金」を、葬儀協定は「納得の葬儀社選び」をもたらすということにまとめられると思います。