川崎市で家族葬にする注意点

家族葬とは、主に家族・親族などのお身内を中心とした葬儀のかたちです。最近では希望者が多く専用の斎場なども増えてきましたが、メリットだけでなく、デメリットもあります。家族葬の葬儀でも、葬儀社選びは大切です。

家族葬とは

家族葬の厳密な定義はありませんが、規模としては、家族や親族、親しい友人の範囲だけの葬儀ということになります。同じような意味合いで密葬という言葉も使われますが、微妙なニュアンスの違いとして、密葬は秘密という言葉が連想されますので、少し暗い感じがします。一方、家族葬は、多くの会葬者への対応など慌しさをできるだけ避けて身内でゆっくりとお別れする、こうした意味合いで使われているように思われます。
 家族葬は規模による分類に位置づけられますので、宗教的な意味合いはありません。それゆえ、仏式であれば僧侶、キリスト教であれば牧師あるいは神父、神式であれば神職にお願いして葬儀をします。

家族葬のメリット

まず、費用を抑えられることが挙げられます。

家族葬の場合、参列人数が少ないので、お料理や返礼品など接待にかかる費用が軽減できます。

式場も大きな式場を使用する必要はありません。例えば、川崎市の市営斎場では、式場の広さによって使用料が異なりますので、家族葬に適した小規模な式場を選べば式場の使用料が軽減できます。式場の大きさに合わせて祭壇も大きなものを選ぶ必要がありませんので、費用の負担が軽減できます。

次に、家族葬の場合、家族だけでゆっくりお別れができることが挙げられます。一般葬の場合、会葬者への対応で精一杯で、故人とゆっくりとお別れする余裕がなかった、と言う声をよく聞きます。大切な人を亡くされたばかりのご家族にとっては、会葬者へ対応・接待しなければならない、という気持の上の負担や身体的な負担が軽減できるのもメリットのひとつでしょう。

当センターのアンケートでも、家族葬を選んだ理由としては、「費用を抑えたい」や、「身内とごく親しい方だけでゆっくり見送りたい」とお答えいただくことが多く、ご相談でも家族葬を希望される方もとても多くなっています。家族葬専用の式場や家族葬に特化したサービスを提供する葬儀社も増えています。

家族葬のデメリット

家族葬は参列者が限られるため、葬儀に参列できなかった人が葬儀後の慌ただしい時に自宅へお線香をあげに訪れたりすることがあり、その対応に追われてしまう可能性があります。

実際にあったケースですが、現役でお仕事をされていたご主人を亡くされ、お身内だけでの家族葬で葬儀を行ったところ、葬儀を終えてまだ手続きなどがある忙しい時期に「お線香をあげさせてください」と、連日、代わる代わる色々な方が自宅に訪問し、その対応の大変さから、「他の方にも葬儀のときに声をかけてお別れをしてもらえばよかった」と後悔した、という経験をされた方がいらっしゃいます。

このケースでは、故人様がまだ若く、現役の会社員だったということでこのような事になってしまったとのことですが、すでに現役から退いている方でも、例えば教職だった方の場合には、多くの教え子さんたちがお別れをしたいと思われるかもしれませんし、会社にお勤めになっていた方でも慕っていた後輩の方々や得意先、取引先の方々などでも最期にお別れをしたいと思う方がいらっしゃるかもしれません。

また、葬儀に呼ばれなかったことで喪家から軽く見られているという印象を持たれてしまい、その後の関係がうまくいきづらくなってしまうことも考えられます。「自分も最期のお別れをしたかった」と言われ、家族葬にしたことを後悔したという方もいらっしゃいます。

家族葬で気をつけるべきこと

家族葬は、ご対象者の意思や、自分だけで葬儀のやり方を決定してよい場合もありますが、家族や親族など関係者の意向を確認し調整しておいたほうがよい場合があります。

家族葬がご本人のご意向ですと周りを説得しやすいですが、現在のところ家族(奥様・ご主人、お子様等)で決められるケースも多く見受けられます。身内でのトラブルの原因を作らないためにも、特にご本人様と血のつながりのあるご両親、兄弟、姉妹等の了解をあらかじめ得ることが大切です。

身内にうまく根回し・調整したとしても、先ほどのデメリットで挙げた、「自分も最期のお別れをしたかった」 と非難される場合もあります。

それゆえ、家族葬にする場合は、誰を呼ぶのかを慎重に決めなければなりませんし、呼ばない人へも、失礼のないような形にしたいものです。

さて、家族葬は内々で行う葬儀のため、情報が外部に漏れてしまった場合、人が来てしまい、葬儀の際に混乱をきたしてしまう事があります。

以前、斎場を持つお寺のご住職から伺った話しなのですが、お寺のご近所の方のご葬儀で、家族葬にするということになり、式場を半分に仕切って使う予定でいたところ、準備の段階で供花の申し込み数が多くなってきたため、ご喪家に状況を聞いてみると、ご近所の方に葬儀を行う事を言ってしまったとのこと。故人様は町内でご活躍されていた方だったため、急遽式場の仕切りを外し、大人数を受け入れる一般葬の体制に変更して対応したそうです。結果、そのご葬儀では近隣の方を含む200名ほどの方が参列に訪れたとのことです。

また、自宅に安置をしたい場合や、自宅で葬儀を行いたい、また、自宅から近いところの式場を使いたいという場合、ご近所の方とのお付き合いの仕方によっては、家族葬では難しくなることが考えられます。

自宅に安置をすると、葬儀社が毎日ドライアイスの交換をするために自宅に訪問します。また、自宅で葬儀を行う場合は、多くのスタッフの出入りがあります。普段あまり見かけない人や黒いスーツを着た人の出入りは意外と目立ちますので、近隣の方に葬儀が行われることがわかってしまい、ご安置中や葬儀の際に弔問に訪れたりすることがあるかもしれません。せっかく来てくださった方を門前でお断りすることもなかなかできないことだと思いますので、自宅でお身内だけでの葬儀を行う場合には、近隣の方への配慮が必要になる場合があります。

自宅から近いところの式場を使う場合は、近隣の方に葬儀が行われることがわからないようにと、式場に看板を出さないなどの対応をしてくれることもありますが、あえて自宅から離れたところの式場を選ぶ方もいらっしゃいます。

最後に、家族葬のメリットの中で、「費用が抑えられる」と書きました。たしかに葬儀社からの請求金額は押さえられます。ただ、会葬者が多くなるということは、香典収入も増えるということです。これを含めた収支で見た場合、家族葬のほうが必ずしも一般葬より費用を抑えられるとは限りません。たいていの場合は、やはり家族葬のほうが抑えられると思いますが、それでも、思ったほどのことでもないかもしれません。

いずれにしても、家族葬を選ぶにあたっては、費用を抑えることなどだけでなく、故人様の生前のご活躍やご家族の状況などを踏まえ、人間関係の基本的な事を忘れないように気を付けることも大切です。

家族葬での葬儀のお知らせの仕方

ご相談では、家族葬で葬儀を行うためにはどうやってお知らせをしたらいいかというご質問されることがあります。

最近では「家族葬」という言葉もずいぶん浸透してきていますので、ご逝去の連絡をする際、葬儀前の段階でしたら、『葬儀は近親者のみで行う』ということと『一般の方のご参列はご遠慮いただきたい』ということをお知らせをすれば理解して頂けることも多くなったようです。

葬儀を終えてからご逝去のお知らせをする場合には、例えば、「故人の遺志を尊重し、近親者のみで葬儀を行いました」というかたちの書面を郵送します。お知らせはできるだけ早い段階でお送りするとよいでしょう。

葬儀前に連絡か、葬儀後に連絡か、どちらが正解ということはないので、実際の状況を見ながら、故人の交友関係の深さと広さを踏まえ、関係者の反応を予想しながら判断するほかありません。

葬儀前に連絡すれば、先ほどの、町内でご活躍されていた故人様の例ではないですが、知ったからには会葬に行かなければ、と思う人が出てくる可能性があります。しかし、葬儀後の報告のように、「なぜ知らせてくれなかった」という非難はなくなります。

身内でゆっくりお別れ、混乱させないことを優先し、葬儀後に報告するという選択肢もあります。

それでも、「なぜ知らせてくれなかった」と非難され、その後の関係がうまくいきづらくなってしまうことが予想されるような、ごく親しい人にだけは、葬儀前に電話などで直接伝えるという方法も有効かもしれません(他の人には葬儀後に伝えると含みを持たせて) 。

川崎市内で家族葬にて適している斎場

川崎市にはかわさき北部斎苑とかわさき南部斎苑の2つの市営斎場があります。

家族葬の葬儀でよく使われている式場として、かわさき北部斎苑では、平成30年に新たにできた50名規模の第三式場があります。この第三式場はパーティションで仕切り、25名規模で使用することもできます。(仕切った場合、実際には15名くらいまでの人数で使用するのがちょうどいいようです)

かわさき南部斎苑では100名規模の式場を二つに仕切り、家族葬など50名くらいまでの葬儀に適した式場として使用することができます。

上の方でも少し触れましたが、家族葬の場合、大きな式場で行う必要がなく、それに伴って祭壇も小さなもので対応でき、なにより、式場の広さが人数にちょうどよい広さであることは満足にも影響があるようです。ご利用者からのアンケートでは、使用した式場についての感想で「ちょうどいい広さでした」や「こぢんまりしていて来てくださった方々とゆっくり話しができました」など、よかった点としてご回答いただくこともあります。

ただ、川崎市の市営斎場では、家族葬で葬儀を行いたい人が増えていることから、小規模な式場の予約の方が先にうまってしまい、大きな式場は空いているのに、家族葬規模の式場は何日も待たなくてはいけないという状況になる場合もあるようです。

このような場合、少しでも早い日程で葬儀を行いたいと思っている方や、待っている間の安置やドライアイスにかかる費用などを踏まえて、やむを得ず大きな式場に変更する方もいらっしゃいます。

大きな式場の場合、広さに見合うように大きな祭壇を勧められたりすることもあるかもしれません。また、空間が多くなるため、淋しい感じがしたと感想をくださった方もいらっしゃいました。

市営斎場以外の民間の式場でも、寺院の会館や葬儀社が保有する自社会館などがあります。家族葬に適した大きさの式場も多くなってきています。葬儀社や寺院が保有する式場は、一日一喪家の利用が多く、周りを気にせずゆっくりお別れをすることができるとうメリットもあります。そして、利用頻度が高く待機日数が多い市営斎場よりも、早い日程で式ができることも多いので、市営斎場が第一希望だった人も、葬儀社などの式場で施行することもよくあります。

家族葬では、担当者によって満足度が左右される

家族葬に特化したサービスを提供している葬儀社が増えていて、ホームページなどで「川崎市 家族葬」と検索しただけでも多くの葬儀社の情報が出てきますが、サービスや葬儀社の特徴、担当者の対応などはどの社も同じということはありません。ネットの情報だけでその葬儀社がどのような社なのか、担当者はどんな人なのか、どんな対応をしてくれるのかを把握することはできません。

とくに、家族葬での葬儀では担当者の重要度が増します。最初から最後まで同じ人対応してくれることが望ましいですが、そのうえで担当者を信頼できるか、すべてをまかせることができるかどうかという事は葬儀の満足度に大きく影響してきます。

よりよい家族葬にするためには、斎場と葬儀社選びも大事

家族葬などごく内輪だけで行う葬儀では、「温かい葬儀にしたい」と希望されることが多く、人数に見合わない大きな式場では空いている空間が寒々しく感じかえって寂しさが増してしまうこともあるようです。

家族葬での葬儀でも、人数に見合うような斎場を選ぶことが大切です。

センターでは、状況に応じた式場の提案のみならず、葬儀社も担当者レベルまでの把握に基づいてご紹介させて頂いていますので、闇雲に選んだ複数の葬儀社の担当者と直接やり取りをするよりも、労力が軽減され、確実な対応が期待できるように思います。

家族葬のまとめ

  • お身内の方だけでゆっくりと故人を見送ることができる葬儀です。
  • メリットだけでなく、デメリットについても理解しておくとよいでしょう。
  • 親族や故人の友人関係などへの調整が必要になる場合があります。
  • 家族葬の規模にあった斎場を選ぶとよりよいでしょう。
  • 家族葬に特化した葬儀社が増えていますが、どの社に依頼しても同じではありません。担当者と合う・合わないなどは葬儀の満足度に大きく影響します。

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